日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: P2-C15
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ポスターC
主体感が再認の回想過程と熟知性過程に及ぼす影響
*辻 菜々実今泉 修
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抄録
行為とその結果を自己が制御している感覚を主体感という。主体感を伴う事象に対して再認成績が向上することが示されており, その理由に自己関連づけ効果が挙げられる。再認は,学習時の文脈を想起できる回想過程と学習した事実に気づく熟知性過程に分かれる。自己関連づけ効果は回想過程で生じやすいことが知られている。そこで本研究は,主体感が回想を促進するかどうかを調べた。実験参加者のキー押し行為に応じて単語が提示される課題において,行為と単語提示位置の一致と不一致によって主体感の高低を操作した。後の再認課題では,単語の回想と熟知性をそれぞれ測定するRemember/Know反応を求めた。その結果,提示位置の一致・不一致条件間で主体感評定値に差が認められたもの,先行知見や仮説に反して,学習刺激のHit率,Remember率,Know率いずれにも差が認められなかった。主体感と再認記憶の関連が認められなかったことについて,実験手続きに着目して考察する。
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© 2022 日本認知心理学会
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