日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: O-A08
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口頭(感情・思考・発達)
青年期初期の創造性の発達軌跡と養育態度との関連
―混合軌跡モデリングを用いた検討―
*澤田 和輝高橋 雄介野村 理朗
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抄録
本研究は,青年期初期における創造性の発達軌跡の様相を明らかにし,複数の発達軌跡間の質的な違いを説明する養育態度を同定することを目的とした.第1時点目のデータは中学1年性392名から収集した.創造性は言語性のトーランス創造性テストを用いて6ヶ月の間隔を経て合計3時点で測定した.親の養育態度は第1時点でのみ自立的支援と心理的支配を測定した.混合軌跡モデルを用いた分析とモデル比較の結果,創造性の発達軌跡は3群に分類される時に最も当てはまりがよく,それらは低群,中群,高群と解釈された.さらに,多項ロジスティック回帰分析の結果,自律的支援の高さと心理的支配の低さは中群−低群間の違いを説明したが,いずれも高群との違いは説明しなかった.今回の結果は,青年期初期における言語性の創造性の発達軌跡は一様ではなく,また,ポジティブな養育態度が部分的に創造性の発達軌跡の違いに寄与することを初めて示したものである.
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© 2022 日本認知心理学会
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