日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: P2-D06
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ポスターD
指の長さ vs 指の幅: ダブルタッチ錯覚における変形距離限界
*佐藤 優太郎齋藤 五大小鷹 研理
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抄録
身体の錯覚研究には, 手指の延長線上に付与した視触覚同期刺激が指の伸長感を生起させる報告が多数あるが, 手の横方向の刺激が手や指の幅を変形させる報告は見られず, 手指の主観的な変形の起こりやすさは, 軸方向別に異なる可能性がある. これを検証するためには, 錯覚の中で混在する身体イメージの変形と固有感覚のドリフトとを分離する必要があるが, 従来のラバーハンド錯覚のパラダイムで, そのような実験の設計を行うことは困難である. そこで我々は, 目を閉じて自他の指を, 自身の二本の指で同時にタップすることで, 自己の指に加えて相手の指の接触点までも自己接触に感じ, その結果, 指の変形感のみが選択的に生起するダブルタッチ錯覚を考案した. 実験では, 指の長さと幅の変形距離限界を調べたところ, 指の長さは平均約3~4cmの長さ顕著に伸びたのに対し, 幅は平均約2cmの変形にとどまり, 指のイメージ拡張の異方性を示唆する結果が得られた.
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© 2022 日本認知心理学会
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