日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第19回大会
セッションID: P2-D09
会議情報

ポスターD
箱を自分の身体だと思うことはできるのか?:
対象物への意識的な身体イメージの対応付けを用いた検討
*山本 一希荒武 聖香中川 寛文林 舞花一瀬 優梨香松浪 美晴中尾 敬
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
身体が自分のものであるという感覚 (身体所有感) は,アバターのような自己身体以外にも付与できることが知られており,その現象はフルボディ錯覚 (FBI) と呼ばれている。FBIは身体所有感を付与させる対象物が自己身体との類似度が低いと生起しづらいことが知られており,それは自己身体の空間的なイメージを対象物へ対応 (マッピング) させにくいためであると考えられている。ではマッピングを意識的に行えば,身体との類似度の低い箱にも身体所有感を付与することができるのであろうか。本研究では箱に対して意識的にマッピングをさせる条件とマッピングをさせない条件を設け,FBIの生起量を比較した。その結果,参加者にマッピングをさせる条件ではむしろ錯覚の生起量が低下した。この結果は,マッピング条件において,身体との類似度の低い箱に自己身体をマッピングしようとしたことにより葛藤が生起し,FBIの生起が阻害されたことを反映していると考えられる。
著者関連情報
© 2022 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top