日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P2-B09
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遭遇した未知顔に感じる親近感が「人違い」の生起率を高める
*島根 大輔三浦 大志伊東 裕司
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抄録
ヒトは他者を正しく識別することで円滑な社会生活を営んでいる。しかし,我々は時々,遭遇した人を別の知人と誤認することがある。本研究はこの「人違い」現象を実験的に計測する手法を開発し,その生起過程を検討することを目的とした。参加者は画面中央に提示され続ける数字を読みながら,周辺に時々短時間提示される顔が知っている人かどうか/誰であるかを判断する二重課題に取り組んだ。課題には有名人顔と未知顔が提示され,未知顔を有名人と誤同定することが人違いとみなされた。実験の結果,106人の参加者から247回の人違いが計測された。さらに,本課題の前に閾下単純接触させた未知顔の方が人違いされやすく,未知顔への親近感が人違い生起に寄与する可能性が示された。また,人違いされた未知顔と有名人の類似度が人違い生起に関連し,その傾向は髪型の類似度で高いことが示された。これらの結果はこれまでの人物同定研究にも示唆を与えるものである。
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© 2022 日本認知心理学会
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