主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第20回大会
回次: 20
開催日: 2022/10/15 - 2022/10/16
近年,オンラインコミュニケーション特有の疲労状態とされる「Zoom疲れ」の要因の一つとして画面上の自己鏡像呈示による「Mirror Anxiety」の影響が示唆されているが,主観的側面からの検討に留まっている (Fauville et al., 2021)。そこで,本研究はモニター画面上の自己鏡像(刺激)の呈示有無が個人に与える認知・生理的影響について検討することを目的とし,同一参加者に対し,刺激有無の2つの状況下でストループ課題を行い,その反応時間(RT)や心理指標(STAI),心拍変動などの自律神経系指標及び眼球運動を測定した。刺激を課題1・2回目のどちらで呈示するかは参加者ごとにランダムに割り振られ,それぞれ条件1・2とした。その結果,全体として特性不安とRT,さらに課題間のRTの差分に負の相関が見られ,その関係は条件1においてより顕著であった。これらの結果から,自己鏡像呈示タイミングと不安の関係や,それに伴う認知処理への影響が示唆された。