日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: O-02
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口頭
課題遂行時の自己鏡像呈示が不安感と認知処理の関係に与える影響
*小室 ルナ永岑 光恵沖 拓弥
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抄録

近年,オンラインコミュニケーション特有の疲労状態とされる「Zoom疲れ」の要因の一つとして画面上の自己鏡像呈示による「Mirror Anxiety」の影響が示唆されているが,主観的側面からの検討に留まっている (Fauville et al., 2021)。そこで,本研究はモニター画面上の自己鏡像(刺激)の呈示有無が個人に与える認知・生理的影響について検討することを目的とし,同一参加者に対し,刺激有無の2つの状況下でストループ課題を行い,その反応時間(RT)や心理指標(STAI),心拍変動などの自律神経系指標及び眼球運動を測定した。刺激を課題1・2回目のどちらで呈示するかは参加者ごとにランダムに割り振られ,それぞれ条件1・2とした。その結果,全体として特性不安とRT,さらに課題間のRTの差分に負の相関が見られ,その関係は条件1においてより顕著であった。これらの結果から,自己鏡像呈示タイミングと不安の関係や,それに伴う認知処理への影響が示唆された。

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© 2022 日本認知心理学会
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