日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: O-03
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口頭
時間知覚課題に与える事後選択の影響
*小野 史典
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抄録

視覚刺激が短時間(例: 400ms)呈示された際,刺激中の注意を向ける対象や特徴の違いによって,呈示時間の長さが異なって知覚されることが示されている。これまでの研究では,注意を向ける対象や特徴を事前に選択することによって調べられてきた。そこで本研究では,時間知覚に与える事後選択の影響を調べた。実験では,異なる特徴をもつ2つの標的刺激が同時に呈示された。標的刺激の消失直後に,特徴を判断する標的が指示された。観察者は,標的刺激の呈示時間の長さを判断した後に,指示された標的刺激の特徴(形状)を回答した。その結果,注意を向けた(形状を回答した)標的刺激が大きい方が,小さい時よりも呈示時間を長く判断した。この結果は,視覚刺激の消失後に,記憶内の特定の刺激に注意を向けることで,刺激の特徴(大きさ)が時間知覚課題に影響を与えることを示している。

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