日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: O-20
会議情報

口頭
なつかしさが幸福感に及ぼす影響
コロナ禍の2時点大規模調査に基づく検討
*楠見 孝
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
本研究の目的は,なつかしさのポジティブな機能が,幸福感に及ぼす影響を,コロナ禍における2時点の大規模調査に基づいて検討することである.なつかしさには,自己の連続性,他者との結びつき,人生の意味を気づかせるなどの心理的機能がある(e.g., Sedikides, et.al., 2015).これらのなつかしさの機能の自己評定が1年後の幸福感やコロナ前へのなつかしさに及ぼす影響を明らかにする.そこで,全国の16-90 歳の男女が1回目(2021年3月中旬)1497名,2回目(2022年3月下旬)942名が回答した.重回帰分析の結果,2回目の人生満足度や協調的幸福感は,1回目のなつかしさの機能(社会的結びつきや人生の意味)で予測できることが分かった.また,コロナ前へのなつかしさは,コロナの感染不安や社会への不安となつかしさの社会的結びつきの機能によって予測できた.
著者関連情報
© 2022 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top