日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P1-A03
会議情報

ポスター
思考の切り替えにおける内受容感覚の役割
*櫻木 麻衣梅田 聡
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

現在遂行中の行為とは無関係な事柄へと思考がさまよう現象をマインドワンダリング (mind wandering, 以下, MW)という。本研究では,契機が不明で無意図的なMWの生起に対して,内受容感覚が与える影響について検討した。参加者は,心拍検出課題(Schandry, 1981)とVigilance Taskの2つの課題をおこなった。心拍検出課題の成績によって,参加者を内受容感覚高群・低群に分けた。Vigilance Taskの後半ブロックにおいて,参加者の前腕部に振動刺激を閾下呈示することで,心拍変化を誘導した。その結果,内受容感覚高群は,低群と比較すると,振動が呈示されたブロックにおいて,発生したMWがその後の試行においても継続する確率が高かった。この結果は,内受容感覚が正確な人においては,振動の閾下呈示による断続的な内受容情報の変化が, MWの発生・継続を誘発する可能性を示唆している。

著者関連情報
© 2022 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top