日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P1-A04
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漢字の主観的複雑度は周囲長複雑度で表せる
*白石 紗衣齋藤 岳人樋口 大樹井上 和哉小林 哲生
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抄録

周囲長複雑度は文字の周囲長と面積から算出される指標であり、仮名文字の主観的複雑度と関連することが示されてきた。本研究では、周囲長複雑度が漢字の主観的複雑度を表す指標としても妥当かを検討した。日本語母語話者と英語母語話者に対し、仮名文字と漢字の主観的複雑度を7件法で回答させ、両話者の文字ごとの平均を求めた。漢字と仮名文字ごとに主観的複雑度と周囲長複雑度との相関係数を算出した結果、日本語及び英語話者ともに高い正の相関が認められ、周囲長複雑度は仮名文字と漢字の主観的複雑度を表す指標として有効であることが示された。さらに、主観的複雑度と画数及び周囲長複雑度との相関係数を比較した結果、漢字の場合は両者に有意な差が見られなかったものの、仮名文字の場合は画数よりも周囲長複雑度との相関が高い傾向が認められた。以上のことから、周囲長複雑度は様々な文字に適用可能な複雑度の指標であることが示された。

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© 2022 日本認知心理学会
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