抄録
解決が困難と感じたときの行動特性を把握するために、洞察問題を複数回答させる実験を行った。本実験は、予備的な実験である。
3種類の洞察問題(9点問題、10コイン問題、5つの四角形問題)と1種類の両定義問題(ハノイの塔問題)を用意し、15名の実験参加者に実施した。各問題はPCを使って提示し、反応を記録した。また、レコーダーにPCの画面部分のみを記録した。問題の実施順はランダムとし、時間制限は設けなかったが、回答が長時間に及んだ場合は実験者が声をかけ、これ以上回答する意思がない場合は回答中止とした。最後に課題の主観的難易度などを回答させ、また、各問題の感想などを聞いて実験を終了した。
結果の分析に際して、それぞれの問題を実験前に知っていた場合は分析対象から除外した。また、プログラム不良などのケースも除外した。その結果、各問題のケース数が10未満になり、また、本研究では回答過程の詳細分析が必要なため、特徴的な回答を事例分析的に分析することとした。まず、正答率を分析したところ、9点問題50%、10コイン問題100%、5つの四角形問題20%、ハノイの塔問題100%となり、比較的正答率の低い問題と高い問題に分かれた。この中から、9点問題で最後まで回答できなかったケースを詳細に見たところ、ほとんどの時間帯で9つの点の枠の外には出ておらず、枠への固着が見られた。そのほか、ケースごとに詳細分析を行った。