日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P1-A20
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他者表情と文化的自己観が意思決定に及ぼす影響
―オンラインコミュニケーションに焦点をあてて―
*黒星 きらら
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抄録

近年コロナウイルスの影響で「同調」という言葉がよく使われるようになったが、これが文化的背景によるものかは未だ議論中である。本研究では、このような状況下で普及したオンラインコミュニケーションツールの特徴である、グループ成員の顔の見える範囲が比較的狭いことを考慮した上で、他者表情が議論中の意思決定(同調的意見変容)に与える影響について検討した。同時に、文化的自己観の違いがこの効果を決定するかも検討した。実験に際し、該当ツールを模した動画を作成した。動画は、意見を述べる発言者と表情が賛成、または反対へと変化する他者とで構成されていた。動画視聴後、参加者は、発言者の意見に賛成か反対かの質問紙と、相互独立―相互協調的自己観尺度の質問紙に回答した。その結果、周辺他者表情が議論中の意思決定に影響を与えるという仮説、および相互協調的自己観傾向の高い人ほど他者表情に影響を受けやすいという仮説が支持された。

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© 2022 日本認知心理学会
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