主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第20回大会
回次: 20
開催日: 2022/10/15 - 2022/10/16
本研究では,刺激の命名難度の影響を取り上げることから,定型小児のシフティングにおける自発的な言語方略の役割を検討することを目的とした。3-5歳の小児36名に対して、幼児期のシフティングを評価するDimensional Change Card Sort課題を命名の容易な色刺激と形刺激のみを用いた命名可能条件と、命名が困難な刺激のみを用いた命名困難条件の2条件で実施した。対象児は、まず色または形に基づいて刺激カードを分類するように求められた(プレスイッチ)。その後、分類基準が変更され、先とは異なる基準で刺激カードを分類するよう求められた(ポストスイッチ)。測定の結果、ポストスイッチにおける正分類数に、条件間で有意差は認められなかった。しかし、誤反応の分析を行ったところ、命名困難条件の遂行様相は命名可能条件と異なっていた。以上の結果に基づき、シフティングにおける言語的概念の役割について考察した。