日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P1-B18
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エイジズムが高齢者に対する心の帰属に与える影響:日本語版心の帰属尺度の開発と妥当性の検証
*齊藤 俊樹Hugenberg Kurt元木 康介野内 類
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抄録
エイジズムは年齢に基づくステレオタイプや偏見、差別のことであり、高齢者へのネガティブな印象はエイジズムを高める。相手に抱く印象の一つに心の帰属(心の基本的な機能(意思、認知機能、情動機能)を相手に認めること)があり、攻撃・援助行動に繋がる重要な概念である。しかし、エイジズムが高齢者への心の帰属に影響するかは不明である。 本研究は、エイジズムが心の帰属に与える影響を検討した。参加者892名 (20–83歳)は、架空の高齢者と若年者に対する心の帰属の程度 、自身のエイジズム傾向を回答した。その結果、高齢者の意思と認知機能の程度は若年者よりも低い と判断されなかったが、情動機能が若年者より高いと判断された。 さらに、エイジズムの傾向が強い参加者は、高齢者の全ての機能を若年者よりも低く評価した。これらの結果は高齢者に対するステレオタイプ を示すとともに、エイジズムが高齢者に対する心の帰属に影響することを示唆した。
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© 2022 日本認知心理学会
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