抄録
ゲーミフィケーションとは、ゲーム要素を非ゲーミングの文脈に適用することである。これにより動機づけが高まり、課題パフォーマンスが向上することが期待されている。本研究では、フィードバックにゲーム要素を加えることで、ビジランス課題におけるゲーミフィケーションの効果を検討した。34名の大学生・大学院生を対象として、連続的に呈示される単語刺激に対して、目標とする動物を意味する単語だけに反応することが求められる20分程度の意味ビジランス課題を行った。各反応に正誤のみを提示する単純フィードバック条件と、反応による得点、累積得点と満点設定が追加されるスコア・フィードバック条件の意味ビジランス課題を設けた。実験の結果、単純フィードバック条件より、スコア条件ではメンタルワークロードが低く、反応時間が短くなった。このように、ビジランス課題におけるゲーミフィケーション効果が確認できた。