日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第20回大会
セッションID: P2-A20
会議情報

ポスター
対象の把持が動作の理解に及ぼす影響
—動作の方向に関する検討—
*多田 美香里
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
把持に関する運動表象は対象の視覚的入力によって影響を受ける(Chua, Bub, Masson, & Gauthier, 2018)。本研究は、対象を傾ける動作の理解において、対象を実際に把持することによる影響が、動画で提示された対象の傾きの方向による影響を受けるかどうかを調べたものである。本実験の課題は、傾いた対象の写真を提示し、その写真のように対象を傾けるには、どのような動作を行うことが正しいかを判断するものであった。実験参加者には、傾いた対象の写真が呈示された後、手の動作の動画が提示された。実験参加者は、最初に提示された対象の写真で示されたように対象を傾ける場合に、次に提示された動画の手の動作が適切かどうかを判断し回答した。また、この課題に対して実際に写真と同じ対象を把持した状態で回答する群(把持群)と、何も持たずに回答するだけの群(非把持群)を設けた。把持群と非把持群の回答を比較したところ、把持群の誤反応率が非把持群よりも低いことが示された。
著者関連情報
© 2022 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top