主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第21回大会
回次: 21
開催日: 2023/07/01 - 2023/07/02
VR空間におけるユーザー同士の快適な距離(パーソナルスペース,以下PS)はユーザー個人の特性に依存する可能性がある。本研究は個人特性である「自意識の強さ」がVR空間におけるPSの大きさに与える影響を検討する。実験対象者25名に対し,自意識尺度により自意識の強さを測定し,ストップディスタンス法でVR空間におけるPSを測定した。VRアバタは,男性と女性の2体を,正面,左右30度前の3方向で移動させた。公的自意識・アバタの移動方向・アバタと実験参加者の性差の3要因混合計画分散分析を行った結果,公的自意識低群において,性差が同性よりも異性の方がPSが大きかった。これは,VR空間においても異性に対する抵抗感が異なることを示している。同様に私的自意識において,3要因混合計画分散分析を行った結果,私的自意識の主効果が有意であり,高群の方がPSが大きかった。これは,私的自意識高群の猜疑心がVR空間に反映されたと考えられる。