主催: 日本認知心理学会
会議名: 日本認知心理学会第21回大会
回次: 21
開催日: 2023/07/01 - 2023/07/02
日常生活の中でかわいいと表現される対象は多岐にわたるが,かわいさが喚起する感情については十分には検討されていない。本研究では様々なかわいい対象(ベビースキーマ有:BS,ベビースキーマ無:NBS,自己選択:SC)に対して喚起される感情について主観的評価(16項目)と4か所の表情筋の活動を計測して中立刺激と比較検討した。また評価者の多次元共感性の特性と感情喚起との関連も併せて調べた。主観的評価については,「かわいい」は全対象が, 「愛おしい」「高揚感」はSCとBSが中立刺激よりも有意に高く評価された。また, 皺眉筋がSCとBSで,眼輪筋と頬筋の活動がSCで増加した 。個人特性については,被影響性と「かわいい」,感情移入のしやすさと「胸がきゅうとなる感覚」 との関連がみられた。以上の結果からかわいさから喚起される感情は,対象の持つかわいさの種類や個人特性からの影響を受け,異なる表情表出をもたらす可能性が示された。