日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_A16
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ポスター(感情・動機・記憶)
誘導情報が目撃者による人物識別に及ぼす影響:単独面通しと継時ラインナップ手続きの比較
*丹藤 克也柴田 朝夢
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抄録

目撃者による犯人識別手続きとして,1人の人物のみが呈示される単独面通し手続きは,複数の人物が呈示されるラインナップ手続きと比べ誘導的であり,誤同定の危険性が高いことが指摘されてきた。しかし,ラインナップと比べ,単独面通しの方が誘導性が高いのかについて,十分な実証研究が蓄積されているとは言い難い。そこで,本研究では,単独面通しと継時ラインナップ手続きにおける誘導情報の影響について検討した。目撃映像の呈示後,ターゲットが含まれない単独面通し,もしくは継時ランナップを実施した。誘導条件では,人物識別の前に,他の参加者の9割が写真帳の人物を犯人であると判断したとの誘導的な情報を与えた。統制条件では,そのような情報は与えなかった。実験の結果,統制条件では,継時ラインナップの誤同定が単独面通しの13.5倍であった。これに対して,誘導条件では識別手続きによる違いは認められなかった。

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