日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_A17
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ポスター(感情・動機・記憶)
抑うつの緩衝機能と自己複雑性に関する指標「P-SC-N-SC」の関連
*永田 奈津季伊東 裕司
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抄録

自己複雑性(self-complexity:以下SC)とは,Linville(1987)によって提唱された自己概念の構造の個人差を説明するためにモデルであり,側面の数が多く,分化(独立)していることを自己複雑性が高い状態と定義し,自己複雑性の高さは,抑うつに緩衝機能を持つとした。その後,佐藤(1999)はこの緩衝効果は自己複雑性が高いだけでは不十分で,感情価によって分けた肯定的自己複雑性(以下P-SC)と否定的自己複雑性(以下N-SC)のバランス,つまりP-SC >N-SCの時に生じるのではないかと示唆した。本論では,この仮説の下P-SC >N-SC時に「抑うつの緩衝効果」,P-SC <N-SC時に「抑うつの促進効果」が生じていることを明らかにした。 また,抑うつと関連する自己複雑性のバランスの指標「P-SC-N-SC」の再検査信頼性に関し比較的高い安定性を確認し,有効性についても示した。

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© 2023 日本認知心理学会
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