日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_A21
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ポスター(感情・動機・記憶)
他者との課題共有が記憶の符号化に及ぼす影響(2)
*吉崎 一人加藤 公子
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抄録

自分自身(自己)の行動に他者が影響を与えることが明らかにされている(例,Sebanz et al.,2003)。この現象の根底には,他人の課題表象の形成がある。本研究では,先行研究の手続き上の欠点を修正し,課題共有が符号化に及ぼす影響を検討した。単語カテゴリー判定課題を,参加者が一人で行う個人条件と,パートナーと一緒に行う共同条件で実施した。カテゴリーは3つ用意され,自身(自己),パートナー(他者),割当なしであった。その後の偶発再生課題では,カテゴリーや社会的条件(個人/共同)に関わらず,画面上に呈示された全ての単語を想起することが求められた。その結果,共同条件においてのみ,非担当カテゴリーよりもパートナーカテゴリーの想起の優位性が観察された(他者優先性)。このことは,課題共有自体において課題の共表象が形成され,自己カテゴリーと同様に他者カテゴリーに対する符号化が行われる可能性を示唆した。

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