日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: P_B07
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ポスター(思考・言語・注意)
追加条件文による反実仮想推論の抑制に話者間の関係が及ぼす影響
*中村 紘子高橋 達二
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抄録

追加条件文による推論抑制とは、条件文「もしAならばCである」に続けて、追加条件文「もしBならばCである」が提示されると条件推論が抑制される現象である。Demeure et al. (2009)は、推論の抑制と話者間の関係性を検討し、関係性が悪い場合は曖昧な表現で訂正を行うポライトネス方略がとられやすく、追加条件文が訂正を意図したものと解釈され、推論抑制が起こりやすいとした。
本研究は、話者間の関係が反実仮想条件文(もしAだったら、Cだっただろう)における推論の抑制に与える影響を検討する。反実仮想には、現実より良い状況を述べ後悔などのネガティブ感情に関わるupwardと、現実より悪い状況を述べ安堵などのポジティブ感情と関るdownwardが存在する。話者間の関係が良好な場合、upwardでは追加条件文がネガティブ感情を軽減する訂正と解釈され、推論抑制が生じやすくなるが、downwardでは訂正と解釈されにくく、推論抑制が少ないかを検討した。

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