日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第21回大会
セッションID: O_B03
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口頭(社会的認知・感情)
新型コロナウイルスに対するリスク認知と集合的感情(2)
-2年間3時点のパネル調査-
*楠見 孝嘉志摩 佳久
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抄録

新型コロナウイルスに対するリスク認知と集合的感情の時間的変化を明らかにするために,全国の18-89歳(M=44.7)の男女に対してweb によるパネル調査を,新型コロナウイルス流行の第3波期 2020年12 月-2021年1月(N=1007),第6波期2022年4月(N=618),第8波後の2023年2月 (N=820)の3回実施した。個人的/集合的感情についての質問項目は,自分/社会一般が,12 のコロナ関連対象(例:患者)に対して 9 つの感情(例:不安)をもつか否かの回答を求めた。他に,感染リスク認知等について回答を求めた。1回目と3回目の比較を行った結果,個人/集合的感情については,コロナに対する不安(49%/49 %→36%/36%)の回答比率は双方とも高く,2023年には有意に低下した。医療従事者への感謝(84%/80%→60%/57%)は個人が若干高く,2023年には有意に低下した。一方,個人よりも集合的感情の方が高いのは,感染者への不安(35%/43%→29%/32%),マスクをしない人(36%/54%→18%/22%)や首相(29%/40%→22%/23%)への怒りである。いずれも2023年には大きく低下し,個人-集合的感情の差も縮小した。

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© 2023 日本認知心理学会
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