抄録
折り紙は,一枚の紙を折ったり曲げたりしながら形を変化させ,一つの作品を作り上げる行為である。本研究では,立体の折り紙作品を制作する過程を心の中でシミュレートする際にどのような認知機能が関わるのかを,折り紙イメージ鮮明性を測定する質問紙調査によって検討した。とくに,心的操作能力を代表する剛体変換と非剛体変換が,『手の感覚』,『折り紙操作の統御性』,『形に関する視覚イメージ』,『色に関する視覚イメージ』の4つの折り紙イメージにそれぞれどのような影響を及ぼすのかを検討した。具体的には,立体作品の制作に関わる認知構造を共分散構造分析を用いて検討した。