日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P2-11
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アンサンブル情報処理に対する選択的注意の影響
*吉 西妍
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抄録
アンサンブル知覚とは、複数の視覚対象の要約情報(例えば、物体の平均大きさ)を短時間で正確に読み取ることであり、視覚認知の容量制限を克服する効率的なストラテジーとして認識される。しかし、アンサンブル情報の処理にも容量制限が存在している。視覚性ワーキングメモリには容量制限があるように、複数の点群の平均大きさを同時に処理する時は、2グループの平均値を正確に覚えることが示された。さらに、事前に注意をある物体群に向けることで、その物体群のアンサンブル記憶を強化できることが示唆された。本研究は、視覚性ワーキングメモリにおいて、アンサンブル情報の処理を注意で促進することに焦点を当てて、アンサンブル情報の記憶はretro-cue効果があるかどうかを明らかにすることを目指す。結果として、個別物体情報と異なり、アンサンブル情報処理においては、pre-cueの効果が見られたが、retro-cueの効果が見られなかった。アンサンブル情報の処理が知覚段階のみ注意に影響されることを示した。
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