日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P3-22
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把持の目的が他者の動作の理解に及ぼす影響
*多田 美香里
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抄録
対象の位置や方向の把握については自分自身の現在の状況とも照合して判断されると考えられる(Ambrosini & Costantini, 2017)。また、把持動作を遂行するという目的に応じて、対象の大きさの知覚が変化することも知られている(Bosco, Daniele, & Fattori, 2017)。これらのことから、他者の把持動作であっても、その動作の目的、つまり把持状況の文脈を知っているかいないかによって、対象の知覚が変化し、さらには遂行される把持が成功するかどうかの予測の精度も違ってくると考えられる。そこで本研究では動画で提示された、他者が対象を傾ける動作の理解において、把持の目的の有無が影響するかどうかを調べた。その結果、把持の状況についてあらかじめ情報が与えられた実験参加者のほうが、情報が与えられてない実験参加者よりも、把持動作の傾きについての評価が正確であることが示された。
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