日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第22回大会準備委員会
セッションID: P3-21
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奥行きと知覚的流暢性が経路選択に与える影響
*七原 宇紀*北神 慎司
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抄録
都市や建築の空間形態は,人の経路選択行動に影響することが知られている.他方,知覚的流暢性もまた,人の意思決定に影響を及ぼしている.経路選択に関する既往研究では,奥行きが異なる二つの道から一方を選択をする際,奥行きの深い道へ選択が偏るという報告と,浅い道へ偏るという報告の両方がある.本研究はこの対立する結果をもたらした要因の一つとして,実験刺激における奥行の捉えやすさが異なっていた点に着目し,流暢,非流暢な刺激の間で選択の偏りがどのように異なるか検討した.結果,参加者の内,戦略をもって課題に取り組んだ群にて,刺激が非流暢な場合に浅い側への偏りが観察された.一方,刺激が流暢な場合には偏りが見られず,戦略を持たなかった群では流暢性の高低によらず偏りが見られなかった.既往研究のいずれとも合致しないこの結果は,本研究にて用いた刺激の生態学的妥当性の観点から再検討されるべきと考えられる.
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