2023 年 61 巻 2 号 p. 138-144
2050年のカーボンニュートラル化に向けて,各方面でCO2削減に関する技術開発が進んでいる。コンクリートの分野では,材料,製造,養生,供用の各ステージにおいてCO2を削減する技術開発が必要である。著者らは,コンクリート製造時にCO2を固定化させる技術を開発するため実験的検討を行った。その結果,コンクリート1m3当たり10kg程度のCO2を固定できることを確認した。また,コンクリートの製造を2つのステップに分ける分割練りを行うことで,CO2を固定しても圧縮強度の低下や強アルカリ性の喪失はなく,鉄筋コンクリート構造物にも適用可能な技術であることを確認した。