2023 年 61 巻 4 号 p. 327-332
本建物はJR静岡駅から徒歩10分の市街地に建つ営業所である。狭小敷地おけるスモールオフィスの計画にあたり,建築主からの様々な要望の中,柱頭免震を採用した4本の柱で3層の円筒スラブを支持する18mスパンのRC架構を採用した。外側に拡がる円筒スラブの断面形状は空問の開放感を高め,自然光を内部へ導入,床下空間は設備スぺースに活用するなど構造計画が建築・設備計画と高いレベルで融合する建物を実現した。本稿では,特徴的な円筒スラブ架構の実現に対して,設計から施工において工夫した点と3D・先端技術活用を推進して課題解決を図った点について報告する。