鉄筋コンクリート (RC) 部材の設計計算では, 部材の引張り部のコンクリートを無視して設計が行われているため, 部材引張り部のコンクリートにひびわれが生じても耐力上何ら問題とはならないが, ひびわれが過大となると内部の鉄筋が腐食しやすくなり, 構造物の耐力の低下をまねくことが予測される。本実験は, RC部材に所定のひびわれ幅を生じさせた状態で一定期問屋外に放置したのち曲げ試験を行い, 曲げ耐力の低下の度合いを調べることを目的としている。本稿は, 目標放置期間20年のうち12年までの成果をまとめたものである。