コンクリート工学
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東京湾横断道路川崎人工島における低発熱型高強度コンクリートを使用した地中連続壁の施工
佐野 幸洋池田 秀昭松木田 正義中野 正之
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1993 年 31 巻 8 号 p. 36-53

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抄録

日本有数の海洋土木工事といわれる東京湾横断道路は, 現在工事が佳境に入っており, 平成4年秋に建設の要となる川崎人工島に, 世界最大の地中連続壁が構築された。この地中連続壁は, 外径103.6m, 深度119m, 側厚2.8mコンクリート量は約12万m3に及ぶ大規模なもので, セメントにはフライアッシュ混入低発熱型高炉セメントを使用することにより, 高強度, 温度ひびわれ対策および流動性を確保することができた。コンクリート施工面における特徴は, 高流動化コンクリートの長距離, 長時間の連続圧送と施工に伴うコンクリート流動圧の軽減である。これらの要件を満たすコンクリート性能を求めて, 室内試験, 現場施工試験が行われ施工に生かされた。本稿は, 低発熱型高強度コンクリートに関する室内試験結果を基に, 現場試験の調査, 研究の経緯と実施工の状況について述べるものである。

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© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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