2026 年 23 巻 2 号 p. R004-
物質科学の第一原理計算は,物質の構造や応答・反応などを経験的なパラメータを用いることなく記述するツールとして,様々な分野で不可欠な役割を果たしている.アト秒科学の分野では,電子のダイナミクスを実時間で記述する第一原理計算が発展してきた.本記事では,著者らのグループが進めてきた時間依存密度汎関数理論に基づく電子ダイナミクスの実時間計算,さらにそれをマクスウェル方程式と結びつけた光の伝搬に対する第一原理計算の理論と計算方法を説明し,アト秒過渡光吸収分光などへの応用を紹介する.