日本船舶海洋工学会講演会論文集
Online ISSN : 2424-1628
ISSN-L : 1880-6538
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2024A-OS2-7 船体パラメータ同定における更新値の予測応答による適応性判断法
羽根 冬希高橋 薫吉田 優太
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p. 101-109

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抄録

船舶用オートパイロット(AP)をモデルベースで設計する際,船体モデルのパラメータは必須である。船体パラメータの精度が良くなければ,APの性能が劣化し最悪の場合ヨーイングを発生する。よって,船体パラメータの精度向上は重要な課題となる。

現行の同定システムでは,船体運動モデルのパラメータ同定値を求め,その更新値を推定し,ノミナル値に置換するものである。本秋季講演会にて著者らの提案方法では,現行法の更新値より確からしい値が求まると報告している。だが,その同定システムでも,次のような課題が指摘できる。更新値は常に適切であるとしているが,現実的には少なからず誤差をもつ。更新値を置換したノミナル値から制御システムの設定値や制御ゲインを計算した後,実時間の制御動作が継続される。このとき,APは最悪の場合ヨーイング現象を発生させる。それに至らずとも,目標値への追従性や減衰性が悪かったりする場合もあり得る。

更新値の効果は,ノミナル値置換後の操船状態によってはじめて確認される。その操船状態が予測できれば,置換による不具合の発生が防げる。上記操船状態の予測は,今までの同定システムになかった,新しい手法であり,ロバストな制御システムの構築により一歩近づくものになる。よって,本課題では,更新値による操船状態を予測して,更新値をノミナル値に置換する方法を提案することとする。

本解決策を提案する。同定システムにおいて,実際の変針応答の時系列データに基づいて同定算法によって同定値を求め,推定演算によって更新値を求める。本提案法では,その同定プロセスの逆をたどると,更新値から変針応答が予測できることに着目したものである。よって,実際応答と予測応答からの時系列データを比較することで,更新値の適応性の具合が判断できる。

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