主催: 日本船舶海洋工学会
会議名: 令和6年 日本船舶海洋工学会 秋季講演会
回次: 39
開催地: Yokohama City Port Opening Memorial Hall
開催日: 2024/11/21 - 2024/11/22
p. 765-777
世界中の大型水素貯槽の多くは準安定オーステナイト系ステンレス鋼で作られているが、その破壊特性はまだ十分に解明されていない。なぜなら、水素脆化や極低温環境、歪誘起マルテンサイト変態等の複雑な環境下に材料が曝されるためである。本研究は当該環境での破壊アセスメント評価のため、温度と予歪が与える破壊靭性値への影響に焦点を当てる。10種類の予歪条件と、液体水素および液体窒素の液浸という2環境を用意した。その結果として液体水素と液体窒素において、予歪が増加するにつれて破壊靭性パラメタであるJR値の大幅な低下を確認した。さらに、予歪効果を定量するためにHRR特異性のみを仮定するモデルを提案した。このモデルは、物理的に意味のある3つのハイパーパラメータで予歪依存性を解析的に表現できる。これら実験データとモデルは、地震等で変形を受けた後の水素貯槽の安全性評価の一助となるだろう。