主催: 日本船舶海洋工学会
会議名: 令和7年 日本船舶海洋工学会 秋季講演会
回次: 41
開催地: Himeji Culture and Convention Center Operation Consortium
開催日: 2025/11/17 - 2025/11/18
p. 263-267
本研究は,地中海東部を対象として2018年から2024年のAIS航路密度データ(GMTDS)を解析し,国際情勢の変化が航路構造や船舶行動に及ぼす影響とAISデータの信頼性に関する課題を検討した. 解析の結果,安定期と緊張期の間で航路分布に明確な差異が確認され,特にイスラエル沖カリシュ・ガス田周辺では半径25 km規模の同心円状パターンが出現した. AIS履歴およびSentinel-2衛星画像との比較から,この異常は実際の航行とは整合しない可能性が示された. この事例は,船舶動静把握におけるデータ利用の限界を示している. こうした背景を踏まえ,次世代AISであるVDESの国際的導入が,通信のセキュリティ強化とリアルタイム監視の高度化に寄与することが期待される.