日本調理科学会誌
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サメ皮利用のための加圧加熱による物性と成分に及ぼす影響
下坂 智惠古根 康衣下村 道子
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2010 年 43 巻 3 号 p. 160-167

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抄録
サメ皮の食用としての利用を拡大するために,異なる溶液中で加圧加熱したときの適切な調理条件について調べた。サメ皮は0.2%炭酸カリウム,1%酢酸溶液,脱イオン水のいずれかの液で加圧加熱した。最大荷重は,レオメーターによる破断強度の測定値である。サメ皮の最大荷重値は,5分間の加熱で急激に低下し,1%酢酸溶液での低下が最も大きかった。サメ皮を溶液で加熱すると軟化し,タンパク質が溶液に溶出した。加熱したサメ皮が軟化したのは,タンパク質が溶出し,サメ皮の構造が変化したことによると考えられる。サメ皮を各溶液中で加圧加熱することは,テクスチャー及び加熱時間の点で効果的であった。
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© 2010 一般社団法人日本調理科学会
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