日本調理科学会誌
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エコ・クッキングの手法を用いた野菜廃棄率削減効果
三神 彩子荒木 葉子笹原 麻希伊藤 貴英長尾 慶子
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2012 年 45 巻 3 号 p. 204-208

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抄録
 本研究では,家庭での使用頻度の高い野菜50種を取り上げ,家庭で通常行われている切り方およびエコ・クッキングの切り方での廃棄率を実測し,食材廃棄率の削減効果を明らかとすることを目的とした。
 野菜50種は旬の時期に栽培された国産のものを試料とした。通常の切り方は,家庭調理を前提とし,大学の調理実習で実施している方法とした。エコ・クッキングでは,可食部分を出来る限り生かし,ヘタや根,種を除き,丸ごと皮ごと使用することとした。これにより,45種の野菜で可食部分が増加し,平均して9.1%の廃棄率削減効果が認められた。中でも,廃棄率の削減効果が高かったものに,カブ(葉つき)33.1%,セロリー32.1%,フキ27.7%,長ネギ26.2%,ブロッコリー23.3%があげられた。ただし,いずれの野菜も料理によっては可食部全てを使うことが望ましいわけではないため,皮や固い部分はみじん切りにしたり,すりおろしたり,もしくは部位ごとに使い分け加熱操作を加える方法などの調理の工夫で上手に活用することが望ましい。
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© 2012 一般社団法人日本調理科学会
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