日本調理科学会誌
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報文
殺菌価を考慮したフライパンによるハンバーグ焼成時の最適調理
(第1報)モデル試料を用いたIHクッキングヒーターによるフライパン焼成伝熱および水分移動モデルの確立
石渡 奈緒美堤 一磨福岡 美香渡部 賢一田口 靖希工藤 和幸渡辺 至酒井 昇
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2012 年 45 巻 4 号 p. 265-274

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抄録

 IHクッキングヒーターを加熱源とし,フライパンでハンバーグを片面ずつ焼成する時の温度と水分移動を予測できる数学モデルを構築するため,モデル試料(シリコン,ボロニアソーセージ)を用いた解析を行った。蓋をしたフライパン内全体を調理空間とみなした伝熱モデルは,IH発熱層,フライパン伝熱層,フライパンと試料との接触層および試料から構成される伝導伝熱領域と,フライパン内の空気との熱伝達からなる。試料表面と空気との熱伝達とともに,フライパンから空気への放熱が,試料の温度上昇に影響をおよぼすことから,試料のないフライパン面と空気との熱伝達も考慮した。水分移動の計算では,試料表面とともに,試料内部も水分蒸発の計算領域とした。本モデルの妥当性を検証するため,調理中に形状が一定とみなせるボロニアソーセージを用い,中心温度50℃で一度反転させた際の温度と含水率変化を算出した。その結果,解析値は実験値と同様な傾向を再現可能であった。

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© 2012 一般社団法人日本調理科学会
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