日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
報文
殺菌価を考慮したフライパンによるハンバーグ焼成時の最適調理
(第2報)反転タイミングの違いがもたらす殺菌価への影響
石渡 奈緒美堤 一磨福岡 美香渡部 賢一田口 靖希工藤 和幸渡辺 至酒井 昇
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 45 巻 4 号 p. 275-284

詳細
抄録
 IHクッキングヒーターとフライパンによりハンバーグを片面焼成し,一度反転させた際の伝熱と形状変化の解析ならびに,大腸菌O157:H7を対象とした殺菌価を算出した。初期中心点の温度が20,30,40および50℃到達時,反転させた伝熱解析値ならびに形状変化は実験値と一致した。なかでも形状変化は,反転直前は初期中心点が厚みの半分より上に,調理終了時は半分より下に位置する実験結果を再現した。殺菌価は,50℃反転試料以外は初期中心点が75℃ 1分を保持していても,調理終了時の試料上面の殺菌価は不十分であると判明した。そこで試料全体が十分な殺菌価を得るのに要する時間を算出した結果,40℃反転試料が最も焼成時間が短く,加熱負荷が最も少ないことが明らかとなった。また,厚みを変化させ,反転温度40℃を対象とした同様な解析を行ったところ,厚み2.0 cm程度が本調理条件において最適な試料の厚みであると示唆された。
著者関連情報
© 2012 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top