日本調理科学会誌
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サゴ澱粉の中華麺への利用効果
近堂 知子平尾 和子高橋 節子
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2013 年 46 巻 2 号 p. 93-99

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抄録
 サゴ澱粉の加工食品への利用拡大を図る目的で,中華麺への利用効果について小麦粉の一部をサゴ澱粉に置換した場合,またサゴ澱粉を麺の打ち粉にした場合の効果について検討した。その結果,茹でた中華麺の生地は澱粉の置換量を増すとともに軟らかく,伸びやすい生地となる傾向を示した。またサゴ澱粉置換生地は馬鈴薯澱粉置換に比べて硬さがあり,よく伸びる生地であった。サゴ澱粉を小麦粉に置換することにより,茹で汁中への溶出固形物量の低下が明らかに認められた。打ち粉としてのサゴ澱粉の効果を溶出固形物量からみたところ,馬鈴薯澱粉との差は認められず,その効果は確認できなかった。官能評価から,小麦粉に対してサゴ澱粉を10%および20%置換した中華麺はコントロール(澱粉置換率0%)と比較して透明度があり,べたつきが少なく,嗜好においては有意に好まれ中華麺としての利用が可能と考えられた。
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© 2013 一般社団法人日本調理科学会
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