抄録
炊飯途中で加熱が中断されたり,保温キーを押して炊飯した場合などに「めっこ飯」と呼ばれる炊き損じ飯ができる。本研究では米の浸漬処理と飯の物性との関係について明らかすることを目的とした。
日本晴の精白米を,20°C~90°Cで0~12時間浸漬処理を行った。65°Cで4時間浸漬した米は,粒の腹割れが生じた。粒内での水分の分布を見ると,米粒表層の水分が少なく,内部に水が入り込んでいることが確認された。65°Cから90°Cで浸漬後に炊飯した飯は,対照飯に比べると表層の粘りや付着性が低かった。官能評価においては粒内の不均一性が挙げられ,食味が劣った。同様の傾向は古米,インディカ米でも認められた。