日本調理科学会誌
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煮大豆の物性・嗜好性・咀嚼性に及ぼす酵素と加熱条件の影響
上野山 あつこ畦西 克己吉村 美紀
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キーワード: 大豆, 物性, 嗜好性, 咀嚼
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2015 年 48 巻 5 号 p. 359-366

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抄録
 大豆のテクスチャーに及ぼす加熱方法の違いと市販酵素の影響を検討した。普通鍋で酵素未処理の試料(NA),酵素処理試料(NB)を60分間加熱した試料,圧力鍋で酵素未処理試料(PA),酵素処理試料(PB)を3分間加圧した試料を準備した。重量測定,物性測定,タンパク質測定によって大豆の物理的・生化学的特性を評価した。咀嚼性は筋電位測定によって測定し,嗜好性においては官能評価を行った。
 結果から,重量と凝集性は,NA,NBと比較し,PAとPBの大豆で高い割合で増加した。また,PA,PBは貫入応力が低く,咀嚼時間が低値を示し,官能評価において好まれた。さらにNB,PBは,咀嚼時間,咀嚼回数が低値を示し,官能評価において軟らかく,かみやすいと評価された。これらの結果から,大豆を酵素液に浸漬し,圧力鍋で調理することで,短時間で軟らかく,まとまりやすく,食べやすい大豆となることが示唆された。
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© 2015 一般社団法人日本調理科学会
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