日本調理科学会誌
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米粉パンの製パン性に及ぼす新規加工タピオカ澱粉の影響
小嶋 幸恵伊藤 聖子新井 映子
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2016 年 49 巻 3 号 p. 208-215

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抄録
 未加工(NS)及び新規加工タピオカ澱粉のα-アミラーゼ処理リン酸架橋澱粉(PAS)と α-アミラーゼ処理アセチル化リン酸架橋澱粉(APAS)を用い,未糊化あるいは糊化澱粉で置換した米粉パンの製パン性に及ぼす影響を検討した。未糊化タピオカ澱粉を20%置換した場合,いずれも比容積が小さくなる傾向があったが,パンの物性に与える影響は少なかった。糊化タピオカ澱粉(G)を20%置換した場合,比容積は大きくなり,特にAPAS(G)置換パンが大きく膨化した。NS(G)及びPAS(G)置換パンはきめが細かく,APAS(G)置換パンは気孔が大きくなる傾向が示された。糊化タピオカ澱粉を置換したパンは,マルトースを多く含んでやわらかく,テクスチャー改善効果が示唆された。
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© 2016 一般社団法人日本調理科学会
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