抄録
本研究では,かつおだしの摂取経験の違いがかつおだしを用いた減塩料理の嗜好性に与える影響を調べた。
吸物では,パネルのかつおだしの摂取経験に関わらず,減塩した吸物の嗜好性がかつおだしの濃度を増加させることで向上した。一方,炊き込み飯では,かつおだしの摂取経験の多いパネルでは減塩した炊き込み飯の嗜好性がかつおだしを添加することで向上したが,かつおだしの摂取経験の少ないパネルでは向上しなかった。この差異は,かつおだし特有の味と香りに対する嗜好性の違いにより生じると考えられた。このことは,かつおだしの摂取経験を積み重ねてかつおだしの味と香りを好ましいと感じるようになれば,かつおだしを効かせることで様々な減塩料理の嗜好性が向上する可能性があることを示唆している。