日本調理科学会誌
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飯を形よく盛り付けるための教示法
伊藤 有紀佐野 睦夫香西 みどり
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キーワード: , 盛り付け, , 教示法
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2019 年 52 巻 1 号 p. 22-28

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抄録

 飯を形よく飯碗に盛り付ける方法を明らかにする目的で調査を行った。前報にて開発した,盛り付けた飯の形を評価する指標値である,「中高度」(飯の中央部分が高く,均整の取れた山様の形かどうかの指標)や「飯粒の飛び出し度」(上から見てまとまりがあるかの指標)などの知見を反映した方法を考案し教示法として文章化した。9人の女子大学生に対し,最初は何も教示せず,次に考案した教示法を口頭で伝えながら示範を行った後の,計2回盛り付けさせた。9対(18個)のサンプルの指標値を深度センサや画像解析ソフトを用いて分析した。また,最初の盛り付け(教示なし)を基準とした教示をしたとき(教示あり)の,中高かどうか,まとまり,立体感,美しさ,食べたさの5項目について,女子大学生および教員計40人または49人による一対比較評価を行った。

 「中高度」は,9サンプル対中7対で,「飯粒の飛び出し度」は6対で,教示ありの値が教示なしより良好であった。人による評価でも,9サンプル対中,8対がすべての評価項目において教示ありの評価が高かった。以上より,本研究で考案した盛り付け教示法は形よく飯を盛り付ける方法として有効であることが示唆された。

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© 2019 一般社団法人日本調理科学会
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