日本調理科学会誌
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ごぼう中のポリフェノールとミネラル量に与える調理操作の影響
秋山 聡子池田 昌代鈴野 弘子
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2019 年 52 巻 1 号 p. 16-21

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抄録

 野菜にはポリフェノールやミネラルが多く含まれている。また,野菜を摂取するためには,調理を行うが,それによりポリフェノールやミネラルの量は変化する。そこで本研究では,ごぼうのポリフェノールとミネラルの調理後の残存率の違いを把握することを目的とした。

 切栽方法は,「輪切り」「せん切り」「ささがき」を設定した。浸漬方法は,「水浸漬」「酢水浸漬」を,加熱方法は,「水ゆで」「酢水ゆで」を設定した。各切栽方法,浸漬方法,加熱方法を組み合わせた調理後ごぼう中のポリフェノールとミネラルの残存率を求めた。

 ポリフェノールの残存率は,「水ゆで」に比べ,「酢水ゆで」で高かった。切栽方法別では「ささがき」で最も低かった。ナトリウムの残存率は,「せん切り」で低かった。カリウムの残存率は,「酢水浸漬後水ゆで」で高かった。カルシウムは,調理操作による残存率の差が小さかった。マグネシウムの残存率は,「せん切り」と「ささがき」では「酢水浸漬後酢水ゆで」で最も低かった。

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© 2019 一般社団法人日本調理科学会
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