日本調理科学会誌
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食酢利用調理品における酢酸含量および真空調理法を利用した酢酸高摂取メニューの開発
荒木 彩多山 賢二阿部 典子岡本 洋子
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2020 年 53 巻 1 号 p. 34-43

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抄録

 これまで,酢酸摂取による生活習慣病予防効果については様々な論文で報告されてきた。しかし,一般的に売られている酢酸入りの商品や,食酢メーカーが紹介しているレシピで作成したメニューで実際に摂取できる酢酸量については,ほとんど調べられてこなかった。そこでこれらの酢酸量を今回明らかにした結果,生活習慣病予防において有効であると思われる750 mgの酢酸を1日当たりで摂取することは難しいことが示唆された。次に,1回の食事当り1,000 mgの酢酸摂取を目指し,新調理法である密閉袋を使用した真空調理法に加え,甘味,塩味,旨味の他,苦味成分を加えた食酢で調理した鶏胸肉について酢酸含量を測定した。その結果,スチームコンベクションオーブンを用い,スチームモード,蒸気量100%,庫内温度85℃とし,中心温度が75℃に到達してから5分間加熱すること,および浸漬期間を2日間とすることで,調理した鶏胸肉100 g当たり,酢酸を平均で1,000 mg以上含むことが明らかとなった。

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