日本調理科学会誌
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ESRスピントラップ法による活性酸素消去能と味噌の明度の相関
亀谷 宏美 細谷 幸恵
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2020 年 53 巻 4 号 p. 266-269

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抄録

 本研究では明度の異なる15種の味噌が有する3種の活性酸素(ヒドロキシラジカル[・OH],スーパーオキシドラジカル[O2-],一重項酸素[1O2])に対する消去能をESRスピントラップ法により評価した。活性酸素消去能の値はすべて正であり,本実験で測定した試料は全て,・OH,O2- および1O2を消去する能力があることが示された。特に・OH消去能(4001~9074 mmol mannitol eq./g)が非常に高いことがわかった。・OH消去能とO2- 消去能は味噌の明度と負の相関を,1O2消去能は正の相関を比較的高い値で示した(それぞれR=-0.81,-0.91,0.81)。すなわち,明度が低い味噌ほど・OH消去能とO2- 消去能が高く,明度が高い味噌は1O2消去能を有した。

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© 2020 一般社団法人日本調理科学会
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