日本調理科学会誌
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ホタテ貝殻焼成カルシウムを用いた洗米が貯蔵米の食味に及ぼす影響
柴田 圭子松浦(高見) 朋子渡邉 容子
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2020 年 53 巻 5 号 p. 344-351

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抄録

 本研究では,水に溶かした時に強アルカリ性と無臭性を示すホタテ貝殻焼成カルシウム(貝殻Ca)が貯蔵米の食味に及ぼす影響について検討した。洗米は5回行い,その2回目の洗米に貝殻Ca溶液(0.03%(w/v))を用いた。

 洗米液は強アルカリ性(約pH 12)だったが,炊飯前の浸漬でpHは中性に戻った。洗米後の米粒の表面構造に違いは観察されなかったが,貝殻Caで洗米した米の脂肪酸度は,貝殻Caで洗米していない米の脂肪酸度よりも有意に低かった。飯の2点識別試験では,2試料間においてかたさ,付着性,甘味に有意な差がないことが示された。時間強度曲線を用いた分析より,貯蔵米の古米臭は,貝殻Caで洗米した後には約半分に改善されたことが示された。

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© 2020 一般社団法人日本調理科学会
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