我々はグルテンフリー米粉パンを高温水で調製する製パン法を開発し,パンの品質を向上させることを報告してきた。本研究では,米粉パンの老化に対する高温水添加の影響について検討した。5℃および50~80℃で調製したパンを0~48時間保存し,糊化度,水分含量,硬さの経時変化を比較した。60~80℃の高温水でパン調製した時,中アミロース米粉および高アミロース米粉において保存48時間後の糊化度,水分含量は高く保持された。内相の硬さ測定においては,低中高アミロース米粉それぞれの最適加水温度で硬化が抑制された。また外因性酵素を添加した場合も,高温水での調製により高い老化抑制効果が認められた。さらに,サイズ排除クロマトグラフィーおよびデンプン-ヨウ素複合体吸収スペクトルを用いたデンプン構造の分析を行ったところ,冷水よりも高温水で調製したパンの内相におけるデンプン鎖長は短くなった。これより,高温水による老化抑制効果は,米粉内在性酵素によるデンプンの加水分解が関与していることが推察された。